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モンスターペイシェントが急増する原因を考える

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モンスターペイシェントによる暴言や暴行、セクハラを受けたことがある看護師や医師は、5割~7割ともいわれており、どんどんその被害は増え続けているようです。モンスターペアレンツやモンスターペイシェントという言葉が世の中に出始めたのは、ここ10年くらいだといわれています。

では、どうして、ここまでモンスターペイシェントの被害が増加しているのでしょうか?モンスターペイシェントが増えた原因を事例から探っていきたいと思います。

1人住まい世帯が急増しているから

モンスターペイシェントの多くが暴言や暴行する原因の多くは、待合時間が長い、優先的に見られていないというもの。医師や看護師から自分は軽視されているのではと不満や不安を募らせ、看護師に悪態づけてくる人は少なくありません。

1人暮らしで病を患うと、不安や悲しみが増えるため

この原因は、1人世帯が多くなっているからではないかと推測できます。現在、1人住まいの高齢者は、2,240万人以上と言われており全人口の約44%を占めます。5人に2人は65歳以上の一人暮らしということです。未婚率は男性で約20%、女性で約10%と、男性は5人に1人、女性は10人に1人は結婚していません。これほど、世の中には1人暮らしが増えています。1人暮らしで病を患うと、どうしても不安や悲しみが増えていきます。

1人暮らしの患者さんへの対応

ご家族がお見舞いや通院についてきていない患者さんの方が、看護師ならお見舞いの多い患者さんよりも心が不安定な場面を何度も目にしたことがあるはずです。モンスターペイシェントが多くなっている原因には、愚痴や悩みを聞いてくれる相手がいない1人暮らしの患者さんが増えているからではないかと思います。看護師は、忙しさにまどわされずに、患者さんの話に耳を傾けるという心遣いが必要なのかもしれません。

度を越したモンスターペイシェンへの対応

ただ、度を越したモンスターペイシェントの話をいつまでも聞き続けるのは厳禁です。15分以上、耳を傾けたら、一人では対応できないので他の看護師や医師を呼ぶ旨を伝えるのが的確な対処法です。

治療費が上がってきているから

モンスターペイシェントの中には、治療費が高いと理不尽で自己的な言い訳をする人もいます。公立病院や大学病院はおろか、クリニックでさえも専門的な診療を行える世の中になり、治療費が上がりつつあるので、治療費が高くなっている事実はあります。

治療費が高いと文句をつけるのは高齢者が多い

治療費が高いと文句をつけるモンスターペイシェントは高齢者が多く、昔と比較すると医療費が高すぎると感じる人が多いのかもしれません。ただ、問題なのは、医療費の減額を訴えるモンスターペイシェントの標的は、年配の看護師ではなく若い看護師という点です。

標的になるのは新人看護師

医師やキャリアのある看護師の前では静かに話を聞く傾向にあります。 新人看護師やキャリアの浅い看護師は、こういったモンスターペイシェントにあったら、1人で抱え込まずに先輩看護師に話すのが適格です。

「患者様意識」が強くなってきているから

モンスターペイシェントの暴言には、副作用が出たとなりふり構わずに大声で叫ぶ方もいます。患者さんのこの暴言には、医師よりも看護師よりも患者である自分が正しいのだという、患者様意識が強くなってきてるのが原因ではないかと思います。病院では、患者さんに対して説明する時に「患者様」という言葉を使うことがほとんどですが、患者さんは「お客様」と勘違いして受け取っている人が増えているのではないでしょうか。

インフォームドコンセントが招いた?

インフォームドコンセントという言葉は医療スタッフにも患者さんにも浸透した言葉ですが、一昔前は医者がいうことが全て正しく、患者は医師の指示する治療や処方に従うほかありませんでした。それが今では、医師の診断が間違っていることもあるという患者の認識があります。良きも悪きも、インフォームドコンセントという言葉が世の中に浸透しまったのです。インフォームドコンセントとは本来、1人の医師の診断や治療に全てをおかず、複数の医師により診断してもらう患者の権利のこと。

しかし、この言葉が悪い方向に一人歩きしてしまい、患者は「患者様」という認識が高まりすぎているのが、モンスターペイシェントが増えている理由ではないでしょうか。

まとめ

モンスターペイシェントが増加する理由は様々言われていますが、今後もモンスターペイシェントが増え続ける傾向にあると推測できます。看護師は患者さんの声に耳を傾ける看護師長や医師と複数で対応するという心がけが大切だが、病院側の対応にも力を入れていくべきでしょう。警備員や弁護士を雇うことで、モンスターペイシェントの被害から看護師を守って行って欲しいと思います。